★10 最高!大好き!
ジャンルは何になるんだろう。ミステリ風味のライトファンタジーかな?謎めいたシーンの連発で読み手を引き込むスタイルは、往年の菅野ひろゆき氏の作風を思い出す。(と言って分かる人がどれくらいるんだろうか)
とにかく出てくるキャラ出てくるキャラすべてが愛おしい。泣けるとか萌えとかじゃないけど、ミステリ好きな自分にとって個人的な殿堂入りのひとつ。
Vitaに移植されているということからもわかるとおり、エロはうすうす、まともにエロが無いヒロインもいる。ただ、このゲーム、メインヒロインのエロシーンは三部作で三段オチになっていて、とってもキレイ。落語みたいなオチがつく。
キャラクターが史上最高クラスに魅力的。自慢じゃないけどエロゲ17年やってます(本当に自慢にならん)がキャラの魅力という点ではベスト1かもしれない。登場人物は多いが全キャラ好きになった稀有なゲーム。みんな真っ当な性格で萌えゲーにありがちな奇矯なキャラ立てが無いのがいい。
主人公がちゃんとキャラと能動的な交流をしてて「少しずつ相手のことを知って仲良くなる」という健全なコミュニケーションが作用している。また、みんなお人好しばかりでたまらなく心地よい。シモネタやパロディが少なくて、全体的に上品なのも雰囲気が引き締まっていい。
また、ヒロインズと同じくらい……というかそれ以上に男たちが魅力的なエロゲ。なぜか俺が殿堂入りするゲームは男キャラが魅力的なものが多い。なんだ、腐女子か?俺は腐女子だったのか?
この魅力的なキャラクターたちと力を合わせて謎に立ち向かう、連帯感がスゴく気持ちいいゲームだった。仲良きことは美しきかな。第三部が終わったときは「ああ~もうコイツラともお別れなのか~終わってほしくないなあ~」とすごく寂しい気持ちになった。これはもうゲームでは長らく味わってなかった感情。
クリアしたあとも、ふと思い出しては気に入っているシーンを読み返したくなるゲーム。本当にこのゲームとは世界観・キャラと相性が良かったんだな。
地味ではあるが小技の連発で魅せるストーリー展開
この話、すごい泣けるとかめっちゃ笑えるとか、そういう派手な要素は無いんだよね。ミステリとしても驚天動地の大トリックがあるわけでなく、地味な推論を重ねて、少しずつ少しずつ真相に近づいていく話の進め方。
時計仕掛けのレイライン 3本パック
世界観についても説明が丁寧なのでプレイヤーが置いてけぼりになることがなく、テキストも読みやすくてとても好きだ。
時計仕掛けのレイライン 3本パック
世界観についても説明が丁寧なのでプレイヤーが置いてけぼりになることがなく、テキストも読みやすくてとても好きだ。
物語のジャンルとしてはミステリじゃないんだけど、話の進み方はまさしく「由緒正しい本格ミステリ」の形式なんだよね。
序盤から小さな伏線が数え切れないほどあり、2部の終盤辺りから一気に回収される。カこのあたりが菅野ひろゆきっぽいと思うとこなんだけど、投げ出しっぱなしの伏線はなくすべてキレイに回収される。カタルシスが半端じゃない。このゲームの最大の肝でしょうね。伏線回収という点ではここまでやったゲームは珍しいと思う。
大トリックで勝負するのではなく、小さい伏線をいっぱい仕掛けて、小コンボの連続技でたたみかけてくる感じ。
大トリックで勝負するのではなく、小さい伏線をいっぱい仕掛けて、小コンボの連続技でたたみかけてくる感じ。
キャラ別感想
鹿々谷 憂緒
クーデレ?ツンデレ?けっこう辛辣なのだけど、主人公もツンツンしてるタイプだし、相性が良いのかあまり嫌味に感じない。
アタマはいいが恋愛となるとへっぽこ。「チョロイン」という言葉があるけど、このモー子ほどチョロインという言葉が似合うヒロインもいないだろうな。勝手に自滅していくタイプ。何もしてないのに「また浮気ですか!」と怒られる主人公……○オチすらも伏線だったのには参った。
アタマはいいが恋愛となるとへっぽこ。「チョロイン」という言葉があるけど、このモー子ほどチョロインという言葉が似合うヒロインもいないだろうな。勝手に自滅していくタイプ。何もしてないのに「また浮気ですか!」と怒られる主人公……○オチすらも伏線だったのには参った。
でもメインストーリーでは実質的な「主人公」という感じで、ずっとリーダーシップを発揮しつづけて最後まで活躍していたのはさすが。
烏丸 小太郎
この物語のもうひとりのメインヒロインと言っていいでしょう。序盤は貴重なパートナー&癒やし役として、終盤は物語を薦める原動力になっていたサイコーの良キャラ。
こういう「わけのわからない世界に放り込まれる」という物語で、主人公と同じように右も左も分からないキャラが一人いるというのはすごく安心感がある。主人公の良き理解者で、おそらくプレイしていれば最初に好きになるキャラだろう。序盤のやや淡々とした展開を考えると、ハッキリ言っておまるがいなければ第一部で投げ出していた可能性すらあるし。
小太郎がいなければ、おそらく主人公とモー子もくっつかなかったに違いない。彼が二人のツンケンした関係をマイルドにしてくれて、読む側のストレスを緩和してくれている。このゲーム世界の雰囲気を心地よいものにしてくれた最萌えキャラ。大好き。
リト
説明役。彼女の説明がとっても上手なのがこのゲームの良いところ。世界観をろくに説明しないゲームとか、ぼやけた説明しかしないで進むゲームってけっこうあるけど、あれは本当にストレスたまる。リトと丁寧かつ無駄のない説明を見習って欲しい。
しっかし可愛いよね……リトが可愛い……はあ……可愛い……可愛いなあ……はあ……可愛い……
リト
説明役。彼女の説明がとっても上手なのがこのゲームの良いところ。世界観をろくに説明しないゲームとか、ぼやけた説明しかしないで進むゲームってけっこうあるけど、あれは本当にストレスたまる。リトと丁寧かつ無駄のない説明を見習って欲しい。
しっかし可愛いよね……リトが可愛い……はあ……可愛い……可愛いなあ……はあ……可愛い……
村雲 静春
こいつも萌えキャラだな。うーん、男キャラ二人が最萌えなのは困った。ライバル的なキャラかと思いきや徹頭徹尾「普通にいい奴」である。実にいじられ上手で、反応がわかりやすくて、面白いやつ。笑いどころも多いし、活躍の場もある。こいつが高いテンションでツッコミを入れてくれると安心する。
主人公に対してだけ異常にリアクションがいいのはツンデレなんだろうなあ、やっぱり(笑)どうも男キャラのほうがインパクトが強いなこのゲーム。○○○とくっつくんだろうか?気になるぞ。
主人公に対してだけ異常にリアクションがいいのはツンデレなんだろうなあ、やっぱり(笑)どうも男キャラのほうがインパクトが強いなこのゲーム。○○○とくっつくんだろうか?気になるぞ。
村雲 春霞
天然癒やし系で実に良い。このゲームのヒロインたちでリアルにつきあうとしたら彼女だな。デートしてみたい。甘やかされたい。でもあの弟がついてくるのか……うーん。
風呂屋町 眠子
第一部のヒロインの一人。乙女まっしぐら、妄想爆発キャラ。お笑い担当でもある。でも性格は本当に真っ直ぐでいい子なんだよね……このゲームのヒロインは総じて素直な性格なので本当に見ていて気持ちがいい。
シナリオ上ではけっこう重要な立ち位置。ED後、彼女がどうなっていたか気になるけど、まあきっと幸せにやっているだろう……。反面、彼女のルートはその後を想像すると不安になる。
壬生 鍔姫
第一部のシナリオで、主人公が関係を深めようと踏み込むたびにドギマギしているのがすっげー可愛くて参った。彼女の話はかなり好き。まっすぐで優しくて超ピュアなお姉さんなんて反則じゃないですか。強い個性がないぶん安心して接せられるキャラなのが魅力である。
二部以降はちょっと出番が少なくなって、目立つシーンが無いのが残念だけども……
二部以降はちょっと出番が少なくなって、目立つシーンが無いのが残念だけども……
学園長
学園長に関しては声優の人がすっげー上手だと思う。少しの可愛らしさとものすごいうさんくささが絶妙。ハマり役。最初っから黒幕臭全開な学園長だけども、最後までプレイすると、なかなかいいキャラだったと思う。まさか個別ルートがあるとは。
アーデルハイト・リッター・フォン・ヴァインベルガー
からかわれたり怒ったりしたときの反応が実にわかりやすくて面白い。ルイがいじめイジりたくなるのもわかる気がする……シナリオ上でも後半ルイがいない間はしっかり活躍していたし、いいキャラだったね。しかしいかんせんルイが強烈なキャラすぎて彼女を喰っているのがなんとも。
ルートヴィヒ・リッター・フォン・ヴァインベルガー
みんな大好きルイえもん。最萌えキャラ3番手。最初はなんだコイツ、某小説のパクリキャラか、と思ったけど、最終的には本作でも1,2を争う良キャラ。毒舌も次第にツボに入ってきて、最後にはヒロインたちよりも好きになったくらいだ。
シナリオ上も大活躍するし、ハイジとのかけあいも笑える。ルイがハイジを言葉責めにするのは、最初は「ひっでえ」と思っていたがだんだん面白くなってきて「いいぞ!もっとやれ!!もっと言ってやれ!!」と心の底から応援していた。また、完璧キャラなのでたまに凹まされると見ていて気持ちがいい(笑)
なんだかんだで主人公のことを高く評価していたようで、そこも好きだった。メインストーリーはこいつがいなければどうにもならなかったしな。ハッキリ言って主人公並の活躍をしていたんじゃないか。最後すごく気になる終わり方だったけど、無事だろうか。いろんな意味で。
シナリオ上も大活躍するし、ハイジとのかけあいも笑える。ルイがハイジを言葉責めにするのは、最初は「ひっでえ」と思っていたがだんだん面白くなってきて「いいぞ!もっとやれ!!もっと言ってやれ!!」と心の底から応援していた。また、完璧キャラなのでたまに凹まされると見ていて気持ちがいい(笑)
なんだかんだで主人公のことを高く評価していたようで、そこも好きだった。メインストーリーはこいつがいなければどうにもならなかったしな。ハッキリ言って主人公並の活躍をしていたんじゃないか。最後すごく気になる終わり方だったけど、無事だろうか。いろんな意味で。
他にも重要なキャラクターがいっぱいいるけど、ネタバレになってしまうとアレだ(主人公と◯◯とかね)し、まあこのあたりでやめておこう。
とは言え、モブっぽいサブヒロインたちもみんなシナリオ上で重要な立ち位置を与えられているのが面白いよね。「ただ出ているだけのキャラ」がいないのがこのゲームのプロットの妙だと思う。
しかし、うーん、やっぱりエロゲの話をしているのに男キャラの感想のほうが多めになってしまうな(笑)ネットで感想を検索していると、エロゲであるにも関わらずけっこうな数の女性ファンがいるようだが、わかるような気がする。女子にも受けそうな話だよな。
エロは無くてもなんとかなるし、エロゲでやる必要があったのか。アダルトバリバリのブログで言うことじゃないが……(笑)
※伏線の貼り方や会話のノリが、俺の中で最高傑作ADVである「ミッシングパーツ」にが似ている……と思ったが、実際シナリオライターの一人が同じ人のようで。
※DMMでゲーム紹介を見ていたら、第三部のキャッチコピーが「ずっと探してる。境界線(レイライン)の向こうの、きみを――」となっているけど、「きみ」が誰を指しているかはゲームクリアすれば明白。それを考えるとメインヒロインはやっぱり……w時計仕掛けのレイライン 3本パック